砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「でも」

 毬は口ごもる。

 屋敷にあがった二人は、いつもの庭の傍の縁側へと腰を下ろしていた。

「どうした?」

 黙ってしまった毬の言葉の先を、龍星がそっと促す。

「雅之のこと、怒らせちゃった」

 早口でそれだけ言うと毬は拗ねた子供のように唇を尖らせる。
 ふわりと、龍星は毬の髪を撫でた。

「雅之とは親友なんだろう?
 少々の喧嘩、すぐ仲直り出来るのが親友ってものだよ」

「そうなの?」

 毬は、少し期待を込めた瞳で龍星を見上げた。