砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「目を開けて」

「うわあっ」

 毬は振り向いて、思わず感動の声をあげた。

 辺り一面に広がるのは、幻想的なまでに飛び交う蛍の群。


「龍、すごいっ」

 毬の頬は自然に弛む。
 龍星は毬の手をとると、歩き始めた。

「橋の上で、何をしていたの?」

「私、どうして何も出来ないのかなって。
 考えていたら、身動きが取れなくなっちゃった」

「そう?
 何もできないようには見えないけど?」

 龍星の言葉に、毬は頬を膨らませる。