「……お前、が?」

 人嫌いな龍星がそんなことを言いだすなんてどういう了見だ、と雅之が訝しむ。

「ああ、案ずるな。
 左大臣にお前を薦めたのはこの俺だ」

 龍星がさらりと言う。

「な……なにい〜?」

 ついに全体像が見えてきた雅之が、不満を隠さず睨んでくるのを尻目に、龍星はさらに美味そうに酒を呷るのだった。