「龍星殿が毬のことに興味無いと信じているのですよ。
恋心に疎い子だとは存じておりましたが、まさかここまでとは」
毬は所在なさげに目を伏せる。
「では、私にもまだ機会があると思って良いのかな?」
毬がかぶりを降る前に
「僭越ながら、微塵もございません」
ときっぱり言ってのけたのは龍星だった。
「しかし、お前の気持ちは通じておらぬではないか」
帝がからかう。
しかし、龍星はまるで動じた様子もなく涼しい眼差しで見返した。
「それはこれから時間をたっぷりかけてゆっくり伝えて参りますので、ご心配には及びません」
「人払いしておいて良かったわ。龍星を好く多くの女房に毬が睨まれるところだったわ」
千は半ば本気で呟いた。
恋心に疎い子だとは存じておりましたが、まさかここまでとは」
毬は所在なさげに目を伏せる。
「では、私にもまだ機会があると思って良いのかな?」
毬がかぶりを降る前に
「僭越ながら、微塵もございません」
ときっぱり言ってのけたのは龍星だった。
「しかし、お前の気持ちは通じておらぬではないか」
帝がからかう。
しかし、龍星はまるで動じた様子もなく涼しい眼差しで見返した。
「それはこれから時間をたっぷりかけてゆっくり伝えて参りますので、ご心配には及びません」
「人払いしておいて良かったわ。龍星を好く多くの女房に毬が睨まれるところだったわ」
千は半ば本気で呟いた。


