「龍」

 倒れこんだ龍星を毬は為す術もなく見つめる。

 伏せて眠るのは辛い……よね?

 毬はその身体の下に手を入れ、仰向けにさせようとした。

 が、重くて全く動かない。

 毬は諦めて、眠る龍星の髪をそっと撫でた。
 改めて見ると、広い背中。

 毬は改めて寝具を整えると、その隣に潜り込む。


 いつも一緒に眠る時よりさらにずっと近くて、幸せのあまり目眩がした。
 大好きな龍星がこんなに近くにいる。


 毬は龍星の着物に顔を埋め、大好きな香の匂いを愉しみながらいつしか眠りに落ちていった。