砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「俺は過信していたのかもな」

 一人物思いに耽っていた龍星に、雅之が言う。

「何をだ?」

 龍星が問う。
 雅之は照れたときの癖で頭を掻く。
 そしていつもの実直な眼差しで龍星を見つめた。

「いや、なに。
 お前のことを、だよ」

「俺を?」

「そうだ。
 あまりに凄腕だから、いつの間にか無敵の陰陽師だと思い込んでいたようだ。

 毬に諭されて、霞が出た時、お前の様子を見に行って本当に良かったよ。もっとも、消えた入り口が復活していたから行けたんだが」

 羨ましいほど素直に心の内を語る雅之に、龍星は口元を綻ばせた。