砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「龍星、助けてよ」

「私は雅之の味方です」

 龍星は涼しい顔で答えた。

「つれないなあ」

 帝はわざとらしくため息をつく。

「龍星が検非違使を、っていうから来てやったのに」

「私は別の人を……」

 雅之が慌てて口を挟む。

「あいつがあっさり帰ってきたから俺が出向いてやったんだ」

 ありがたく思えと言わんばかりの態度の帝。

「しかし、事態は急変しました。やはり、妖(あやかし)が絡んでいましたので、お引き取り下さい」

「へえ、天下の龍星が誤診なんて珍しい」

 帝は蔑むように言い放つ。