砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「龍星」

 外で雅之が呼んだ。
 声から、緊迫感が伝わってくる。

 龍星は毬の手を掴んで外へ走った。

「どうし……」

 聞かなくても異変が分かる。
 馬が皆、一点を見つめて殺気立っている。

 雅之や翁が見ても何も見えないそこ。

 しかし、毬が目を険しくして言った。

「太一っ
 駄目だよ」

 少年が石を持って馬たちを睨みつけている。

「真竜」

 毬の声に太一が顔を上げた。

 毬は龍星の手を振りほどいて駆け寄ろうとする。
 でも、龍星はその手を放さない。