砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「友達と遊んでたの。おうちが無くて困ってたから。
 私が淋しいときに、雅之が馬に乗せてくれて元気になったから、彼にもそうしてあげたら良いと思って」

「雅之は昼間に連れて行ってくれたんでしょう?
 夜の外出は感心しないな」

「ごめんね、龍が駄目って言うならもうしない」

「言わない。
 でも、心配はする」

 ふわり、と、龍星は優しく毬の頭を撫でる。

「毬は男の子になりたい?」

 龍星の問いかけに、毬は表情を硬くした。

「それ、今答えなきゃ、駄目?」

「そんなことない。
 もし、毬がお話したくなったら、そのときは教えてくれるかな」

「分かった」

 毬は頷いて、ふぅと息を吐いた。


……龍星が居なかったら男の子になりたいんだけどな。
  龍星が居てくれたらそんな風に思わないのに。


 言葉に出来ない感情がぐるぐると胸の内を回っていた。