砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

「馬の様子、見てくる」

 雅之はその場にいることに耐えかねて、立ち上がる。

「雅之」

 毬が呼び止める。

「ありがとう」

「どういたしまして。俺は何も出来なかったけど」

「そんなことないよ、絶対。
 今、ここに居てくれるんだもの」

 毬は雅之に向けて、心からの笑顔を零した。

 そして、また、感情を押し殺して龍星に視線を戻す。

「もう、平気。
 龍、放して」

 泣き出しそうになるから、出来るだけ言葉を短く伝える。