砂糖菓子より甘い恋【加筆修正ver】

 雅之に謝り、龍星のことを想いながらも、毬は昔にもそんなことがあった、と思い出していた。



 嵐山で過ごした頃。
 崖から落ちて記憶を無くし、一月以上経ってから元の場所へと戻ったことがある。

 皆、心配と不安で夜も眠れなかったと言っていた。

 ……あの時、私はあの空白の時間、いったいどうやって、どこで誰と一緒に過ごしていたのかしら。


 



 そこまで考えて、はっと我に返る。



 先刻出逢った少年は、どこにいったのだろうか?