完璧人間の楢崎君が教室に入ってくれば周りには男女問わず人が集まるわ集まるわ。
私の宿題を必死に写す友人さえも楢崎君に目を奪われている。
「かっこいいよー楢崎君!」
「早く写してよ」
「ねー田中。かっこいいとおもわなーい?」
まあ、そりゃあかっこいいと思うよ。あんな爽やかな笑顔を振り撒かれたら。
私の席は楢崎君の斜め前で、プリントをまわすときなんかは自然に視界に入る。
そういう時には「ああ、整った顔だなあ」と感じているし。
「そうだね。かっこいいね」
「でしょ〜はあ〜」
友人がため息をつく。
楢崎君が好きだから。
うーん、青春してるなあ。
まあ、私は楢崎君とかはどうでもいいんだけど。