記憶のキロク

 そんな俺を心配そうに、だが何か企んでいそうな目で、春風ちゃんが手を後ろで組み、俺の顔を見つめていた。

 後ろで組んでいた手が、唐突に振るわれる。

 春風ちゃんの姿が見えなくなる。

 顔全体に広がるさらさらの触感と冷たさ

 ああ、なるほど雪をかけられたのか……顔に……