「えい」

 パキャン

 パリン

 音がした方を振り向くと春風ちゃんが、両手を左右に広げながら、走り回り氷を見つけては、かわいらしく割っているところだった。

「滑るから、転ばないよッとっと―――」

 視界が急激に落ちる。

 尻に鈍痛が生まれる。

 どうやら、言っている傍から、本人が転んだらしい。