「あ! 散歩に行く前に、看護士さんに一言、言っておかないとな」

「なんで?」

 小首をかしげながら、目で訴えてくる。

「なんでって、そりゃあ回診の時間に居なかったら看護士さんたちが心配するだろ?」

「あ。そっかお兄ちゃんって、頭いいんだね」

 ぽんと手を打ち、俺の説明に納得してくれた。

「ごめん春風ちゃん。ほんとは、朝の誤解を解くためでもあるんだ」と心の中で謝っておいた