「嫌なの?夢乃姫って呼ばれるの」
「…慣れてないから」
夢乃はそう言いながらポケットの中から飴を取り出し口の中に放り込んだ。
直径2㎝くらいある大きい飴玉で、あたりは甘いストロベリーの匂いに包まれた。
「ふーん。じゃあ次からは姫って呼ぶね」
そう言われて初めは意味がわからなかったが、数秒経ってその言葉の意味をようやく理解して驚いた夢乃は、思わず今さっき食べた飴を飲み込んでしまった。
ゲホゲホと咳き込む夢乃に伽新羅は驚いたがすぐに察して背中をさすろうと手を延ばした。しかし、その手はあっさり夢乃に払われてしまう。

