「姫!?」 彼がそう叫んだのは、夢乃が階段の最後の一段を踏み外し、床にペタンと座り込んでしまったからだ。 「姫、姫っ?」 「………っ」 自分を呼ぶ伽新羅の声が最後に聞こえた。 初めてまともに顔をみた。 目が合ったその瞬間、夢乃は伽新羅に身を預けた。