「5時間目さぼっちまった」


「私はいつものことだし」


そんな会話をして、また笑う。


強い風が吹き、夢乃の髪が舞った。


「夏の匂いがするー…」


夢乃の言葉に伽新羅は目を閉じて、風の匂いを嗅いだ。


辺りはもう、夏を迎える準備をしていた。