「でも好きになっちゃったんだ?」 「うん…。悠は…やっぱり王子様なんかじゃなくて本当は俺様で……」 「あは、やっぱり王子様じゃなかったんだ?」 「うん、王子様の“お”の字もないくらいに俺様で意地悪で…」 「そうなんだ」 ユカコはあたしの話をクスクス笑いながら聞いてくれた。 「でも…あたしにしか見せない笑顔とか、そういうの見てたら……いつの間にか好きに、なってた…」