「は!?」


今命令とか聞こえたんだけど……。


「よし、決まった」


そんなあたしの声も無視して、矢吹は勝手に決める。


「ちょ、ちょっと……」


「胡桃、俺のこと名前で呼べ」


二人きりの図書室に、矢吹の声が響いた。


「……名前で呼べって…呼んでるじゃん…」


『矢吹』って。