朋樹先輩がくるまえよりも、強く。 あたしを抱きしめた。 「は、悠…ちょっと苦しい……」 「マジでアイツムカつく…。アイツ、誰だよ」 不機嫌きまわりない顔で、あたしに聞いてきた。 「朋樹先輩は、中学の先輩で…。部活の先輩でもあったの」 中学のときはバスケ部に所属していたあたし。 朋樹先輩は男子バスケ部の部長を努めていて、後輩とかみんなに慕われていた。