奴の動きに合わせて上下する、首筋の突出した喉仏。

そこに噛み付いたら少しは黙ってくれるだろうか。

指先で押してみたら、少しは苦痛に歪む顔が見れるだろうか。考える。


さりげなく片手で撫でた自分の首筋は真っ平らで、指はいっそ貧弱と思えるくらい細くて小さい。

奴の節くれだった無骨な手とは、違う。



「相変わらずイヤミな奴ね。

そのひとを食ったような笑い方、苛々するからやめてくんない?」