それは思っていたよりも簡単にとても容易くみるみる灰となって、風と共に夜空へ舞い上がっていった。
それを目で追うと視界の端にあいつが映る。
よくわからないものが僕の胸を駆けた。
『ここは…これの墓場であり終着点であり葬儀場だ。』
『あなたはここで何をしている?』
『…自分は墓守。こっちが…』
墓守を名のる影の後ろからひょこっと先程手を合わせていた影が現れ、丁寧にゆっくりとおじぎをする。
『私は葬花屋です。宛を失ったそれがまた、意味と出逢えますよう餞として花を。』
葬花屋はにこりと優しく微笑んだ。
手に様々な姿の花が集まった花束を抱えている。
『僕も…在るべき所を失ったそいつらが可哀想だと思っていたんだ。』
『ならばなおさら…ここにいるべきではない。』
墓守は表情を変えず言う。
『その思いを大切にお持ちになって下さい。きっと、いつか、貴方の糧となる日が来ます。』
『でも、僕にはどうすることも出来ない。何も出来ない。これだって…』
僕はリュックの中の物を思い出し手をのばす。
コンパスじゃなくて万華鏡じゃなくてキャンディーでもなくて、小さく狭く賑わう暗闇のなかで輝くそれを取り出し差し出す。
