『私にとってホシは羊皮紙だ。』
『何だそれは。ホシとはそんな様々なものなのか?』
『だから言葉遊びと言っただろう。知るということは容易い事ではないから有り難いね。それより』
『何だ?』
『こんな所で遊んでいていいのかい?』
『お前が引き止めたんだろう。』

少しイライラして言うと心底楽しそうにする。

『と、言う事は行くべき所があるんだね?』
『別にないさ。行き先も、目的も…』
『あるさ。行くべき場所も目的も目標も目印も君の行く先にはないのだから。』
『また言葉遊びか。』
『おお、良くわかったじゃないか。ワタシのおかげだねえ。』
僕は大袈裟に溜め息をつく。
『では最後に聞かせてくれ。』
『何だろうか、立腹している少年よ。』
『……………………』
僕は真上で輝くあいつを見る。
『あいつだけ、どうしても消えてくれないんだ。見ているのが辛い、場所を奪ったあいつが憎い。どうすればいい。』
『そんなこと簡単だろう。』
『知っているのか?』
『ああ。そんな奴を幾人も見てきたからね。』
『一体どうするんだ。』