「なぜなら、私が18歳のころ、
 突然マチが姿を消したからさ。
 それと同時に、今の私の孫の
 玲奈が、やってきたんだ。」
「まさか、シズさん、玲奈に
 あったんですか?」
「ああ。若いころの話だけどね。
 きっと、時間のゆがみのいたずらだ。」


まさか、シズさんが昭和の時代で
玲奈に会っていたとは。


「それで、玲奈は…」
「安心しな。玲奈もマチも、
 少ししたら、元の世界に
 戻ったんだよ。」


その話を聞いて、俺は思わず安堵した。
マチさんも、ホッとしている。


「もうそろそろ、玲奈も
 戻ってくるころだろうね。
 ただ、玲奈は向こうの時代で、
 失恋して酷く悲しんでいるかも
 しれないから、なぐさめてくれ。」
「そうなんですか…。
 わかりました。」
「シズ姉さん、私はどうやったら
 元の世界に戻れるの?!」
「悪いけど、それだけは、
 わからないんだ。」
「そうなのね…。」


それだけ聞いて、俺とマチさんは
玲奈の家を後にした。