「何言ってんだい。あんたの
娘は、玲奈だろう?」
「え?お母さん何言ってるの?」
この人には、玲奈の存在が
まだわかるらしい。
「マチ、あんた本当にマチかい?
私の妹のマチだよね…。」
「やっぱり、あなたはシズ姉さん
だったんだね…。」
「マチ…会いたかった。」
シズさんは、しわくちゃな手で
マチさんを抱きしめた。
マチさんも、シズさんを抱きしめる。
それを見たおばさんは、驚いている。
「お母さん、何言って…」
「あんた、玲奈のことを忘れたの?
あんたの本当の娘は高木玲奈だろう?」
「玲奈…?」
「マチは、私の亡き妹だよ。」
おばさんは、頭を抱えて考え込む。
思いだそうとしているのだろう。
「マチ、あんたタイムスリップを
してきたんだね。」
「シズ姉さん。信じてくれるの?」
「当たり前だ。私のたった一人の
妹を見間違えるわけがないだろう。」
「ありがとう。私は玲奈さんと
時代ごと入れ替わってしまったの。」
「知ってるよ」
「え?」
シズさんは、二人が時代ごと
入れ替わったことを、知っていたと
言うのだろうか。


