「…そっか。で、マチさんは、
 ああ、どう見ても
 ここの学校の生徒じゃないね。」


ここの学校の校舎にいるからには、
もちろんここの生徒だと思うが、
マチさんが着ている服はセーラー服。
(何故か下はモンペなのだが)
俺の学校は、ブレザーなので、
一目でマチさんが、この学校の生徒
でないことがわかった。


「それにしても、その格好…。」
「変ですか?」
「だって、上セーラー服に、
 下が、ズボンにゲタって…。」
「私は、望さんたちの格好のほうが
 変だと思いますけど…。ズボン
 下げすぎじゃないですか?
 それに、あなたはスカートが
 短すぎます…。」
「みんな短いわよ!」


玲奈がマチさんと話すと、
何故か気まずい空気になる。
しかし俺たちから見て、彼女の服装は
とても現代の人とは思えなかった。
むしろ昔の人のようだ。


「ところでマチさんは、
 どこから来たの?」
「それが…覚えていないんです。」
「覚えてない?」


さて困った。彼女は記憶喪失だろうか。
しかし、自分の家の番号ぐらいは
知っていると思って、俺は携帯を
取りだした。


「マチさん、携帯は?」
「けいたい?」
「自分の家に電話するんだ。迎えに
 来てもらえばいいだろう?」
「電話なんて、ありませんよ。」


再び、俺たちは、マチさんの言葉に
驚かされた。