3人は、息を切らして
やっと玲奈の家に着いた。


「おじゃまします!」


俺は大きな声で、ドアを
開けて言った。


「玲奈いますか?」
「あら、望くんと悟くん。
 いらっしゃい。学校は?」
「そんなことよりも
 玲奈は、どこにいますか!」


俺たちが必死に聞くと
玲奈の母は、首をかしげる。


「玲奈…誰なの?玲奈って。」


マチさんの言った通りだ。
玲奈のことを忘れている。


「玲奈は、あなたの娘さん
 じゃないですか!」
「望くんったら、寝ぼけてるのね。
 私の娘は、マチ一人だけよ。」
「へ?」


玲奈の母は、マチさんの
肩に手を置いて笑いながら
そう言った。


「…どうなってるんだ。」
「マチ、あなたも早く学校に
 行きなさい。ところでマチ、
 なんでセーラー服なのよ。
 あんたの学校はブレザーよ。」


マチさんも、訳が分からず
混乱している。
俺たちも、冷静ではいられない。


「とりあえず、俺の家に
 行ってみよう!
 すぐ隣だから。」
「そうですね!」


俺たち3人は、俺の家へと
急いだ。
玲奈の母が「どこへ行くの」
と叫んでいたが、今は
答えている暇はなかった。