セピア色の境界線




「…泣いているのか?」
「違うわよ…」
「なあ、玲奈。お前は
 望が好きか?」


悟が思い切って言うと
玲奈は涙を拭って
「好きよ」と言った。
ちくりと胸が痛む感覚を
初めて味わう悟。


「俺は?」
「え?そりゃあ好きよ。」
「それは望の好きってのとは
 違うよな。」
「あはは。悟は男友達よ。」


玲奈は、笑いながら悟に
そう言った。


「お前にとって、俺はただの
 男友達かもしれないけど、
 俺は、玲奈を友達とは
 思ってない!」


観覧車の中で、悟の声が
静かに響いた。


「え…」
「俺にとって、玲奈は
 一人の女として見てる。」
「それって…」
「俺は玲奈が好きだ。」


悟も玲奈も予想外だった。
悟自身、今日ここで告白する
ために来たわけではなかった。
しかし、玲奈の想いに対抗し、
悟の想いも、打ち明けずには
いられなかった。