セピア色の境界線




「顔も、性格もそっくりです。
 思いやりがあるところなんか
 特に…。」
「そ、そうか。あはは。
 なんか照れるなあ。」
「あなたを見ていると、
 知らない時代でも、
 安心します。」


マチさんは、俺の目を
まっすぐに見て言う。
目を見てわかった。
マチさんは、今の時代には
珍しいくらい、純粋な
人だと思う。
まっすぐなマチさんの瞳に
吸い込まれそうだった。


「実は俺、マチさんと
 出会う前に、マチさんの
 夢を見たんだ。」
「え…?」
「マチさんは、俺のことを
 見て、何度も、達宗さんと
 呼んでいた。」
「本当ですか?」
「ああ。」


マチさんも驚いている。
当然だ。出会う前に夢で
見ているというのだから。


「だからさ、俺とマチさんが
 出会ったのも、なんか
 偶然じゃないような
 気がするんだ。」
「運命なのかもしれませんね。」


マチさんは、照れくさそうに
そう言った。運命の人ということは
将来結ばれる人のことだろうか。
なんだか、変にマチさんを
意識してしまう。


「でも、その…達宗さんは
 マチさんを、今頃探して
 いるんじゃないのか?」
「そうですよね。幼馴染
 なので、何かあったら
 すぐ心配かけちゃいます。」
「幼馴染なんだ。同い年?」
「いいえ、一個年上です。」


マチさんが、きっと
恋焦がれているであろう
達宗さんという人が
気になって仕方がない。
俺と達宗さんは、何らかの
関係があるかもしれない。
だって、マチさんが、俺と
達宗さんを見間違えるくらい
似ているということらしいから。