とは、言ったものの、
自分の世界に帰れないとなると
不安で仕方ないだろう。
どうにかして、彼女の不安を
少しでも和らげてあげたい。


「不安を和らげる、ねえ。」
「悟は何かいい方法
 浮かばないか?」
「気分転換に遊びに行こうぜ!」
「どこに?」
「遊園地でいいだろ。」


遊園地かあ。平成時代の
テーマパークを見せて
あげることも
いいかもしれない。
それに、遊園地なら、もっと
マチさんと仲良くなれそうだ。
玲奈とマチさんと、俺と悟の
四人で行けばダブルデート
らしくなる。



「悟、たまには気の利いた
 こと言うんだな。
 遊園地にしよう。」
「たまにはって…」
「玲奈も呼んで、四人で
 行こうぜ!」
「玲奈もっ?」


玲奈と言った途端、悟は
動揺するように聞き返した。


「何焦ってんだよ。」
「や、そんなんじゃねーよ!」
「あ、まさかお前っ…」
「ち、違う! 好きじゃない!」
「…好きなんだ。」


こんなにわかりやすい反応
するとは、思わなかった。