早いもので、マチさんが
来てから、早くも一週間が
経ってしまった。
一週間何も手掛かりなしで、
俺たちは困り果てていた。
友人や家族や先生に
話したところで、
誰も信じてくれない。
俺と玲菜と悟だけしか、
マチさんの力になれない。

こうなったら俺たちだけで
意地でも、マチさんを帰して
みせようと、決心した。
インターネットや図書館、
戦争に関する資料館などに足を
運んでみたが、俺たちの努力も
虚しく、帰る方法は一向に
見つからなかった。


時間だけが、どんどん過ぎていく。
マチさんが未来にいる間は、
過去の世界の動きは
止まっているのだろうか。
それとも同じように時が
過ぎていくのだろうか。
いや、きっと時間はどんなに
非常事態でも待ってくれないだろう。


俺たちは、途方に暮れていた。