セピア色の境界線




ということは、ここはもう
東京大空襲が終わったあとの日。


「そういえば、マチさんも
 タイムスリップする前は、
 空襲から逃げるために、
 防空壕にいたって言ってたわ。」


マチさんが平成時代に、
タイムスリップしたあとも、
昭和時代の時間は流れたままだ。
だから突如行方不明に
なったマチさんを、
ずっと探していたのかもしれない。


「本当に、マチは生きているのか?」
「うん…。」
「良かった…。」


達宗さんは、急に
力がなくなったように
膝をついた。
非常に安堵しているようだ。
隣で、シズさんも、
ホッとしている。


「マチ、生きていたのね。」
「死んでなくてよかった…。」


そうか。二人は、
あの日以来
見つからないマチさんは、
空襲によって
死んだと思っていたのだろう。
それが、
マチさんは平成時代には
いるものの、
命は無事だ。
それを知って
安堵したのだろう。