島根県仁摩町にある
サンドミュージアムは
”砂時計”なるドラマを
観なきゃ、行く予定リストには
ならなかっただろう。
砂時計のドラマにしたって
大好きな女優が出演しなきゃ、
昼ドラとは 縁もない生活だ。

「ボクね、ドラマ始まる前から、
 サンドミュージアムには
 興味があってね~~」
自分を”ボク”という女の子は
どちらというと苦手である。
もちろん、
苦手というのは
好きと裏返しだ。
結局はのめりこむ事になることは
経験上よく知っている。

そのあと、バスの中で
しばらくは みどりちゃんの
砂時計話が 続いた。

「ボクなら、ふじくんだな。
 ダイゴと結ばれる展開は
 ないよ。」
その点は一致していた。

ずっと しゃべり続ける
みどりちゃんのひそひそ声は
実に心地良かった。
いつしか、コクリコクリと
睡魔の誘いが頻繁となり、
名古屋を過ぎた辺りから、
意識が途切れた。