キッチンの椅子に腰掛けたお母さんと私。
お母さんが紅茶を出しながら言った。
「明良君ってどんな子なの?」
えっ、明良?
「えーっと、
優しくて。
頼れて。
気をきかせてくれる人、かな?」
あ、まずい。
顔がにやけちゃう。
ほんとは、あげきれないくらい良いところが沢山ある。
誰よりもかっこいいし。
スポーツ万能だし。
かといって勉強が駄目かといったら、全然そんなことないし。
笑顔が可愛くって。
声が優しくって。
すごく、温かい人。
本当に誰もが好きになっちゃうんじゃないかって。
いつも不安だった。
「そう。
・・・・会ってみたいわねぇ。」
え?
「どうして?」
「そりゃ、美愛が好きになった人だもの。
見てみたいじゃない?
そんなに嬉しそうなんだし。」
あ、嬉しそうだった?
やっぱりお母さんはお見通しだな。
「お母さんだって心配なんだから。」
そう眉を垂らして優しく笑うお母さんが、凄く嬉しかった。
私は皆に土曜日デートすることを伝えた。
『やっぱりあったんじゃん。』って怒られたし、
案の定、お父さんは泣きかけてたけど。
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