「明良!
会計したもの置いてってどーすんのよ!」


『ほらっ!』と差し出す女の人。



あ、さっきの人だ。

うわー・・・。
すっごい綺麗な人・・・・・・。

真っすぐなロングヘアーに光りが当たり、茶色くなる。

横分けの前髪からは、長い睫毛が覗かせていた。




「あー、どーも。」

「はあ?!」



眉を寄せ、目を吊り上げた女の人は、ポカッと明良を殴る。





あぁ。
せっかく綺麗な人なのに・・・。






「いてっ!」

「あんたは感謝ってものが出来ないの?!

人が持ってきてやってんのに!」





・・・思ったんだけど。

明良に言い寄ってるどころか、好意を持ってるのかさえ怪しくなってきてない?





「うるさいなー。

ありがとーございましたぁー。」


「あんたねぇ!
それが人に対する返事?!」


「だぁー!
もーわかったから!


一個一個うるせぇよ、姉貴は!」




周りの人は私達なんか目もくれず、盛り上がってる。




汗がタラリと頬を伝った。







・・・・・・ん?



今、姉貴って・・・・・・?



・・・・・・・・・誰の姉貴?









女の人の眉が更に吊り上がった。