とぼとぼと明良と歩く

『あのアトラクションが1番好きだなぁ』


なんて他愛もない話をしていると、明良が何か思い出したように『あ』と呟いた


「? 何、どうしたの?」

「あ、いや。

・・・・・・美愛はさ、将来何になりたい?」


「え、急にどうしたの?」


少し涼しくなった風が横をすりぬける

『いや、何となく?』
と頭をかいた明良に
思わず笑みが零れた



「保健室の先生・・・かな?」

「保健室の先生?」

「あ、うん。

ちょっと変かもしれないけど、保健室の先生って
悩んでる子の話とか聞いてあげたりできる人じゃない?

小学校の頃、そんな先生がいてね?

友達と喧嘩した時とか、話聞いてもらったりしたの。

すっごく優しい先生で、相手の事をすぐに察してくれる先生だったの。



高校とかにもそんな先生がいたらいいなぁーって。」




長い話を黙って聞いてくれていた明良は微笑みながら呟いた



「いい夢だね」


「・・・明良の夢は?」



胸が高鳴りながらも尋ねると
鼻の頭をかきながら

『俺は・・・』と、話し始めた