雨あがりの空に

ピッ、ピッ、シュー。シュー。

翠の側では、機械音が聞こえる。


酸素マスクはつけられているけど、翠は…苦しそうに呼吸をしていた。


薄く目を開いたり閉じたりしていた。


「…翠…俺の声、聞こえるか?」

「…クッ…ハァハァ…」

「…ッ…昨日まで元気だったじゃねぇか…どうしたんだよッ…」

「…ハァ…ハァ…」

「翠、言ってただろ?…生きるって。生きて生きて生きまくるって!…しっかりしろって!翠は、そんな弱いヤツじゃないだろ?…グスッ…拓海が居るんだぞ…」

「……クゥッ…ハッ…ハァハァ…」


「…頼むから…目を開けて…」


俺の一筋の涙が…翠の手に落ちる。


ピクッ。