雨あがりの空に

「…パパ?」

拓海が、話しかけてきても俺は、返事さえしなかった。


いつもよりスピードを出して、車を走らせる。


病院に着くと、外では…七恵さんが待っていた。


「裕也くん!拓ちゃん!」

「七恵さん!翠は!?翠は大丈夫なんですか!?」

「容態が急変したの…拓ちゃんは私が見てるから、あなたは早く行って!」


俺は、翠の病室に急いで向かった。


翠の病室に近づくにつれ、先生や看護師の声が大きくなってくる。


俺を焦らせた。


「…翠!?」


病室のドアを開けると、色々な管に繋がれている翠が居た。

「…仙崎さん、翠さんは…とても危ない状態です。覚悟をしておいてください。…もう我々にできることは全てやりました」

先生は、そう言うと…一歩下がった。


俺は、翠の手を強く握る。