ただ、謝ることしかできなかった。


まだ幼い子供に苦痛を与えるのは嫌だった。親として。

だけど…もうどうすることもできなかった。

自分でも分からない。これから、どうやって人生を歩んでいけばいいのか…。


翠が…白血病と宣告されて…。

拓海が自分の母親に会いたがっている。


俺は、何もできない。

何一つできない。



溢れ出そうな涙を堪えた。


「…うっぁ…ママ…会いたいぃ…」

俺の肩に顔を埋めて泣き叫ぶ、拓海。


思ってもみなかった。

俺と翠と拓海が…。

こんなにも辛い人生を歩むなんて…。