「……白血病…」

「…………」

「…ちょっと、びっくりしちゃったなぁ…まさか自分が白血病になるなんて。思いもしなかったよ…」

「…………」

「……しかも…お父さんと同じ病気って…これも何かの運かな?」


翠は、この場を和ませるように、少し明るく笑った。

だけど…翠の瞳は全然、これっぽっちも笑っていない。


「……治るのかな?…私の病気…」


俺は、無意識のうちに翠を抱き締めていた。

「…治るに決まってんだろ?治療をすれば絶対に治る。…だから翠は何も心配することはない。……無理して笑うな。…ネガティブなこと言うな。一年後には…ヘラヘラ笑ってる元気な翠に戻ってるよ!俺が保証する」

コツンッと、翠のおでこをデコピンした。


「…ふふっ…ヘラヘラ笑った私って…どんな私よ?」

翠が笑った。さっきまで強ばっていた、翠の表情が少しだけ和らいだ。