それから、俺は…翠の病室に案内された。


501号室。


コンコンッ。

控えめにノックをする。


「…はい」

「…翠?…俺だけど…」

「…裕也?」

「…おう、入るぞ?」


「…うん」


俺は、ゆっくりと病室のドアを開けた。


ガラッ。


翠に視線を向けた。

翠の腕には、何本もの点滴がされていた。


「…裕也、ごめんね?また迷惑かけることになって……」

「…気にすんなよ。体は大丈夫か?」

「…うん。さっきと比べたら良くなった。薬のおかげかな…」

「………翠…」


「……高橋…先生から、聞いた?」

「……え?」

「……私の…病気のこと…」


「…ッ…あぁ…」

胸が熱くなった。