診察は一時間くらいかかった。

待合室で待たされる俺にとっては、とても残酷な時間だった…。

嫌な胸騒ぎはするし、手は少し震える。


「…仙崎さん」

やっと、高橋先生が診察室から出てきた。

だけど…高橋先生の表情は深刻だった。


「…翠は?…翠は大丈夫なんですか?」

「…詳しいことは、これから話すので…こちらにどうぞ」

俺は、相談室というところに案内された。


ガタッ。

俺は静かに椅子に座った。

「…コホン」

高橋先生は、小さな咳払いをした。

そして、俺の前にレントゲンを見せてきた。

「…これは、翠さんの体のレントゲンです」

「…はい」

「…ここの脊髄のところに腫瘍が見つかりました」

「…腫瘍?……」


俺は、言葉を失った。