「ヤッベ、もうこんな時間だ」

俺は、時刻を確認すると急いで仕度を始めた。

「…あれ?裕也、今日は早いんだね?」

翠は拓海の着替えをさせながら、そう言った。

「あぁ、多分、帰りも遅くなると思う」

「そっか」

「え~!じゃあパパ、帰ってきても一緒に遊んでくれないの?」

「拓海?パパはお仕事が大変だから、パパがお休みの日に遊んでもらおうね?」

「…うん」

「ごめんな?拓海。土曜日はたくさん遊んでやるからな」

「本当?」

「おう!約束だ」

「ヤッタ~!!」


拓海は嬉しそうにピョンピョンと跳ね上がった。

「良かったね?拓海!」

「うん!ママ!早く幼稚園に行こう!」

拓海は翠の腕をグイグイと引っ張った。