「じゃあ、拓海?動物園に行くんだから、早く仕度しちゃいなさい?」

「うん!!」

「…ふふ、拓海ったら寝癖がついてる。ちゃんと直すのよ?」

「分かってるよ~!!」






「わぁ~!パンダだよ!パンダ!」

「あっ!九官鳥もいる~!」

「あ、ねぇ!パパ!お猿さん見に行こうよ!!」


動物園に着いた途端、拓海は…はしゃぎまくりだった。


「拓海!走ったら危ないって!」

「拓海~!ぶつかっちゃうから、前見て歩きなさい!」

「へへっ!大丈夫だよ~!早く、パパとママも来て~!」


人ごみの中をスルスルと駆け抜ける拓海。

その拓海を必死に追いかける俺と翠。


やっぱり、日曜日だから、かなり混んでるな。

子連れが多い気がする。


その時だった。

少し前のところで、ドンッ!という音が響いた。