もうすぐ十七才になる少女なのだと、渡辺は自分の言葉に苦笑するしかなかった。


そろそろ。
女性の使用人を一人。
雇い入れて貰わなければな。


少しだけ赤く染まった朱夏の細い首を見ながら、渡辺はそんなことを考えた。


まだ、月のモノは始まっていないが。
何れは。
そういう変化が現れるようになるかもしれない。
男ばかりでは困ることにもあるだろう。


細く薄いその体には、女性特有の柔らかな曲線は全くないが、見せる表情は年相応の少女のそれだ。
男の自分では何かと相談しにくいことも、これからは増えてくるだろうと想像し、誰をこの屋敷に寄越してもらおうか、本家に仕える者たちの顔を思い浮かべながら、渡辺は部屋を後にした。