その言葉に、朱夏は嬉しそうに目を大きく見開いた。
「プリンのお店に、連れてってくれるの?」
カフェと言われても、朱夏は全く思い出せなかったが、プリンと言われて、その記憶が蘇った。
甘くて美味しいプリン。
思い浮かんだそれに、朱夏は声を弾ませ喜んだ。それは朱夏にしてはかなり珍しいことだった。
「ええ。久しぶりに出かけてみましょう。ですから、午前中のお散歩は、疲れないていどにしておいてくださいね」
「うん。あのね。百日紅がきれいに咲いているでしょ。近くで見てみたかったの」
「朱夏さまが植えられた朝顔も、今日はたくさんの花を咲かせていますよ。着替えをご用意いたしましょうか?」
「大丈夫っ 自分でできるわっ」
もう、子どもじゃないわよっ
渡辺のバカバカと、ぷんと頬を膨らませるその顔は、まだまだ幼い子どものそれと大差はなく、渡辺を始め屋敷にいる者たちは、油断すると未だに朱夏を子ども扱いしてしまう。それが最近の朱夏には腹が立つらしい。
「プリンのお店に、連れてってくれるの?」
カフェと言われても、朱夏は全く思い出せなかったが、プリンと言われて、その記憶が蘇った。
甘くて美味しいプリン。
思い浮かんだそれに、朱夏は声を弾ませ喜んだ。それは朱夏にしてはかなり珍しいことだった。
「ええ。久しぶりに出かけてみましょう。ですから、午前中のお散歩は、疲れないていどにしておいてくださいね」
「うん。あのね。百日紅がきれいに咲いているでしょ。近くで見てみたかったの」
「朱夏さまが植えられた朝顔も、今日はたくさんの花を咲かせていますよ。着替えをご用意いたしましょうか?」
「大丈夫っ 自分でできるわっ」
もう、子どもじゃないわよっ
渡辺のバカバカと、ぷんと頬を膨らませるその顔は、まだまだ幼い子どものそれと大差はなく、渡辺を始め屋敷にいる者たちは、油断すると未だに朱夏を子ども扱いしてしまう。それが最近の朱夏には腹が立つらしい。


