青嵐がドアを開けた部屋には、誰かがそこで暮らしている生活感があった。
板張りの床に厚みのあるマットレスが敷かれ、その上に丸められている毛布があった。
ドアが閉められることなく開け放たれたクローゼットには、ハンガーに掛けられた服が吊るされている。
東に面した小窓の前には、飾り気のない机と椅子。
机の上には、数本の煙草が入った箱とライター、吸殻が山になっている灰皿があった。
ぐるりと部屋を見回した青嵐は、どうやらここがあいつの部屋らしいと思いつつ、そのまま中まで入り込み、小窓を開けて椅子に座った。
吹き込む風の涼やかさに、部屋の中の淀んだ空気が清められていくようだった。
朝を訪れを告げる小鳥の囀りが、その風に乗って部屋まで入り込んでくるようだった。
セン、か。
あの老人の傍らにいた男のことを、青嵐は思い返した。
風貌を。
良く似ている。
あの頃よりも、やや大人びた顔つきになっているようにも感じられたが、その見た目には大きな変化はないように思えた。
長きときを経ていれば、少しくらいは成長もするだろう。
あのていどの変化などは、むしろないと言ってもいいくらいかもしれないと思うほどの、僅かな変化だ。
板張りの床に厚みのあるマットレスが敷かれ、その上に丸められている毛布があった。
ドアが閉められることなく開け放たれたクローゼットには、ハンガーに掛けられた服が吊るされている。
東に面した小窓の前には、飾り気のない机と椅子。
机の上には、数本の煙草が入った箱とライター、吸殻が山になっている灰皿があった。
ぐるりと部屋を見回した青嵐は、どうやらここがあいつの部屋らしいと思いつつ、そのまま中まで入り込み、小窓を開けて椅子に座った。
吹き込む風の涼やかさに、部屋の中の淀んだ空気が清められていくようだった。
朝を訪れを告げる小鳥の囀りが、その風に乗って部屋まで入り込んでくるようだった。
セン、か。
あの老人の傍らにいた男のことを、青嵐は思い返した。
風貌を。
良く似ている。
あの頃よりも、やや大人びた顔つきになっているようにも感じられたが、その見た目には大きな変化はないように思えた。
長きときを経ていれば、少しくらいは成長もするだろう。
あのていどの変化などは、むしろないと言ってもいいくらいかもしれないと思うほどの、僅かな変化だ。


