あの力を持つが故に、その命を削り、短き生がシュカの定めだというのなら、朱花にあの力など使わせたりとしなかったと、かつて、ともに生きたシュカを青嵐は思った。

いつも。
力を使ったあとは、気怠そうに寝付いていた。
いくつになってもお前は体が弱いなと、その傍らでしょうがない奴だと笑っていた、浅はかな自分が赦せなくなった。

何一つ。
気づいてやれなかった自分が、赦せなかった。


すまぬ。
朱花。
その小さい体で。
お前は。
どれほどの。
苦痛に耐えていたのだ?
一人で耐えていたのだ?


追憶の中にいる、ひっそりと咲く花のように微笑む朱花に、青嵐は唇を震わせるようにして詫びた。

「あの子の親が、あの屋敷に客を寄越すたび、あの子の命は縮んでいくんだ」

青嵐のその嘆きには気づかぬふりで、センはそう言葉を続けた。

「知ってのことか?」

獣の唸り声にも似た低いその声に、センの顔にも陰惨な笑みが浮かんだ。