「正直、俺にも爺さんにもそれは判らねえな。シュカの名を授けられる子が、生まれ落ちる家だということは判っていたけど。魂まで同じかどうかは」

俺は直に朱花に会ったわけじゃないからな。
肩を竦めてそう答えるセンの表情からは、青嵐を言葉巧みに謀ろうとしているような気配はなかった。

「爺さんも、人にはない力は持っていたけどな、所詮は人だからな。命ある間に会ったシュカは、あんたが朱花と名づけたあの子だけだったろうし」
「あの子は。今宵、あの屋敷で見えたあの子は、朱花の魂を持った子だ。我、、俺が、それを違うことはない」

判らないと言うセンに、青嵐は強い確信を持って、そう伝える。その言葉に、センはそうかと暗い顔で相槌を打った。

「だとしたら、可哀相だな、あの子も」
「可哀相?」

どういう意味だと、険のある顔つきでセンを見る青嵐に、そんな怖い顔すんなよと、センは笑った。

「シュカに限らないけどな。人にはない力を持って生まれて人が、幸せになれた試しはねえよ」

爺さんだって、わりと悲惨な人生だった。
陰鬱な笑みを浮かべてそう言うセンに、そういうものかと青嵐も暗い顔をした。

「まあ、爺さんは、それならそれでと、その人生を楽しんではいたようだけどな」

場に流れた暗い雰囲気を追い払おうするかのようと、センはケラケラと明るい声で笑い飛ばして、けれど、すぐにまたやや暗い声で、シュカの話しを始めた。